禁煙外来
喫煙を長期にわたって行っていると、各種臓器、組織に障害を起こし、いろいろな疾患を生じやすくなります。 特に癌、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎)は喫煙による影響が大きく、喫煙関連三大疾患と呼ばれています。また、脳梗塞や2型糖尿病、高血圧、慢性腎疾患、歯周病、さらには認知症の発症危険因子であることが知られています。
従って、禁煙することが死亡率を下げる最大の要因であることもわかっています。
今すぐに禁煙をしたい方は当クリニックの禁煙外来を受診して下さい。1人でも多くの方が禁煙に成功して、タバコから解放されることを祈っております。
禁煙外来の受診にあたって
予約制になりますので、電話で受診日時をご予約下さい。
2006年4月から禁煙治療の保険診療「ニコチン依存症管理料」の算定が開始されました。喫煙を単なる「習慣」ではなく依存症と診断し、「病気」と捉え、2020年9月までに17,200を超える医療機関で禁煙治療の保険診療が実施されるようになりました。
また、2016年にニコチン依存症管理料の対象患者が拡大され、35歳未満の方に対しては、喫煙本数や喫煙年数によらず保険適用となりました。加えて、2020年度からは加熱式たばこ使用者も健康保険による禁煙治療の対象として認められています。また、5回の治療のうち、2回目から4回目にオンライン診療による保険治療が認められました。ここでは楽に確実に禁煙できる「禁煙治療」について解説します。
1. 禁煙治療を受けることのできる方
以下の要件をすべて満たした方のみ、12週間に5回の禁煙治療に健康保険が適用されます。
- ニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(TDS)で5点以上、ニコチン依存症と診断された方
TDS テストに関してはこちらからご覧戴けます。
TDSニコチン依存度テスト
すでに禁煙をはじめた方は、禁煙する前の状態に照らしてお応えください。
設問内容 はい
1点いいえ
0点問1. 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか? 問2. 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか? 問3. 禁煙や本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか? 問4. 禁煙したり本数を減ってきてるしたときに、次のどれかがありましたか?
(イライラ、神経質、落ち着かない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)問5. 問4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか? 問6. 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか? 問7. タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか 問8. タバコのために自分に精神的問題(※)が起きているとわかっていても吸うことがありましたか? 問9. 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか? 問10. タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか? 合計 ※(注)禁煙や本数を減らした時に出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抗うつなどの症状が出現している状態。
- 35歳以上の場合、ブリンクマン指数(=1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上の方
- 直ちに禁煙することを希望されている方
- 「禁煙治療のための標準手順書」[2]に則った禁煙治療について説明を受け、当該治療を受けることを文書により同意された方
2. 保険診療の流れ
健康保険を使った標準禁煙治療は、12週間に5回のプログラムです。
オンライン診療による保険治療は、1回目と5回目の診療は対面になります。2回目、3回目、4回目はパソコンやスマートフォン等の情報通信機器を用いたテレビ電話で禁煙治療を行います。
3. 禁煙治療の内容
健康保険を使った標準禁煙治療では、以下のような内容の治療を受けることができます。
- ニコチン依存度の判定
(問診などによってどれだけニコチンに依存しているか判定します) - 呼気一酸化炭素濃度測定
(吐く息がたばこによってどのくらい汚れているか検査します) - ニコチン依存度に合わせた処方
(状況によって貼り薬や飲み薬を処方します) - 禁煙に対するアドバイス
(禁煙を楽にできるためのコツをお伝えしたり、禁煙に対する想いや不安を聴取します。施設によっては専任の看護師がカウンセリングを行います)